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そのとき、H.B.の中間に相当する高度ならば、ただ単に、左右に機首を振る程度のドルフィンを行って、H.B.の底近くで、始めて、サーマルにはいりこむようにする。それは長い経験によって養なわれた感にたよるしかない。
(2)速度飛行の課目1初期のうちは、上述の距離飛行の方法に近くなる。これは、スタートのときに、0〜+0程度の弱い上昇風でも、ていねいに一つ一つさぐるようにして、飛行する。上昇風のH.B.がはっきりするにしたがって、その飛び方は速度飛行の形となり、飛行しながら常にH.B.を知っていなければならない。特に、地域や気象条件が移り変わるにしたがって、このH.B.は変わってくるので、特に注意する必要がある。地域的には、山岳地帯や山脈などを越しながら飛行する場合、あるいは海岸線に近づいたときとかには、変わりやすい。また、気象的な条件の変化するときには、その線上に高層雲があるときとか、積雲が横たわっているときとか、視程が急に変化するときとか、さまざまの現象が現われるので、注意すべきである。
(3)水バラストの放出:非常に上昇風が強く、水バラストを搭載していて、かえって、平均飛行速度がおそくなるような場合には、バラストの水を放出する。4−19図でわかるように、平均速度はVt〜Vtwとなるので、水を放出したほうがよく,上昇風にはいる前に放出する。上昇風内で放出すると、他機の上に放出したり、上昇風自体の上昇力を低下させることもある。

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